2026-08-29
フライング(F)・出遅れで1コース勝率はどう変わるか
フライングや出遅れが発生したレースの1コース勝率は通常レースと比べてどれだけ変わるのか。KONKYOボートラボが自社DB約18万レースを集計した実測データをもとに解説します。
この記事のポイント
- ✓フライング(F)は全レースの1.73%(約58レースに1回)、出遅れ(L)は0.05%の頻度で発生する。
- ✓フライング発生レースの1コース勝率は通常55.28%から31.52%(-23.76pt)まで下落する。
- ✓1コースの下落分は2〜6コースに分配され、2コースが最大+7.15ポイントの恩恵を受ける。
フライング(F)発生レースの1コース勝率変化
自社DB実測値(合計約179,371レース)。1コース艇がFを切ると出場停止のため0.00%になる。F・L発生レースでは外コースに勝機が生まれます。
「フライングが出たレースは荒れる」とよく言われますが、実際に数字で確かめた方は少ないのではないでしょうか。KONKYOボートラボが自社データベースの約18万レースを集計したところ、フライング発生時の1コース(1号艇)勝率は通常の約半分近くまで下落することが確認できました。この記事では発生率・勝率変化・コース別の影響まで、実測値をもとに順を追って解説します。
フライング(F)・出遅れ(L)とは何か
フライング(F)
スタート進入の合図となる「スタート展示」を経て、選手は決められたコースからスタートします。各艇がスタートラインを通過できる時間は「0.00秒〜0.99秒」の範囲と定められており、0秒より早く(マイナスになって)通過するとフライングになります。
フライングを犯した選手は即時失格となり、そのレースの結果はなかったものとして扱われます。さらに累積本数に応じて出場停止処分(1本目:30日前後、2本目:60日前後、3本目:120日前後)が科されるため、選手にとって非常に重い制裁です。
出遅れ(L)
フライングとは逆に、スタートタイミングが遅すぎた場合が「出遅れ」です。スタートタイミングが1.00秒以上になると出遅れと判定され、こちらも即時失格となります。フライングに比べると発生頻度はずっと少なく、選手のスタートタイミングの見誤りよりも、エンジン(モーター)の不具合でスタートダッシュがかからず出遅れてしまうケースがほとんどとされています。
実測データ:フライング・出遅れの発生率
集計条件: KONKYOボートラボ自社データベース(集計期間:2023年6月1日〜2026年8月29日、集計日時:2026年8月29日)
| 区分 | 件数 | 全レースに対する発生率 |
|---|---|---|
| 総レース数 | 179,370レース | — |
| フライング(F)発生レース | 3,106レース | 1.73% |
| 出遅れ(L)発生レース | 98レース | 0.05% |
フライングは約58レースに1回(全体の1.73%)の頻度で発生しています。出遅れはさらに稀で、約1,830レースに1回という水準です。感覚的に「めったにない」と思っていた方もいるかもしれませんが、1日に開催される全国24会場のレース数(約288レース)を考えると、全国では毎日5〜6レース程度でフライングが発生している計算になります。
実測データ:フライング発生レースの1コース勝率
フライングが発生したレースでは、1コース(1号艇)の勝率はどう変わるのでしょうか。
| レース種別 | レース数 | 1コース勝率 |
|---|---|---|
| 通常レース(F・L なし) | 176,167レース | 55.28% |
| F発生レース | 3,106レース | 31.52% |
| L発生レース | 97レース | 37.11% |
※F・Lが同一レースで同時発生したケースが期間中に1件あり、集計上はF区分に含めています(そのためF発生レース数は前掲の発生率表と同じ3,106件、L発生レース数はここでは97件)。
通常レースでは1コース(1号艇)の勝率は55.28%ですが、フライングが発生したレースでは31.52%まで約24ポイント下落します。出遅れ発生レースでも37.11%と、通常より18ポイント低い水準です。
これは「スタート事故が起きたレース=展開が崩れる」という競艇ファンの実感と一致するデータです。
どのコースのFが最も1コース勝率に影響するか
次に「何コースの選手がフライングを出したときに、1コースの勝率がどう変わるか」を見てみましょう。
| Fを出したコース | 該当レース数 | 1コース勝率 | 通常との差 |
|---|---|---|---|
| 1コース | 1,161レース | 0.00% | -55.28pt |
| 2コース | 535レース | 36.26% | -19.02pt |
| 3コース | 686レース | 42.27% | -13.01pt |
| 4コース | 631レース | 39.30% | -15.98pt |
| 5コース | 590レース | 41.53% | -13.75pt |
| 6コース | 673レース | 42.50% | -12.78pt |
※コース別件数の合計(4,276件)はF発生レース数(3,106件)を上回ります。1レースで複数の艇が同時にフライングを出すケースがあるためです。
1コース艇自身がFを出した場合(1,161レース)は、1コース勝率が当然ながら0.00%になります。失格判定によって1着はなくなるためです。
もう一つ注目したいのは2コースがFを出したケースです。2コースが失格になった場合の1コース勝率は36.26%で、3〜6コース失格時(39〜43%台)と比べて最も大きな影響が出ています。2コースは1コースのすぐ外側に位置し、1コース艇にとってのライバルポジション。その艇が失格になるにもかかわらず、2コース自体の走路が空くことで他コースの追い込みが容易になり、1コースの逃げにも影響が出ている可能性があります。
Fが出ると「誰が」有利になるか
フライング発生レースでは1コース勝率が下がる分、他のコースに恩恵が流れます。
| コース | 通常レース勝率 | F発生レース勝率 | 変化 |
|---|---|---|---|
| 1コース | 55.28% | 31.52% | -23.76pt |
| 2コース | 13.46% | 20.61% | +7.15pt |
| 3コース | 12.67% | 17.77% | +5.10pt |
| 4コース | 10.64% | 15.07% | +4.43pt |
| 5コース | 6.06% | 10.30% | +4.24pt |
| 6コース | 1.91% | 3.93% | +2.02pt |
(集計期間:2023年6月1日〜2026年8月29日。「通常レース」「F発生レース」の区分は上表と同一の定義)
1コースの下落分(-23.76ポイント)を2〜6コースが分け合う形で、2コースが最も大きい+7.15ポイントの恩恵を受けています。続いて3コース(+5.10pt)・4コース(+4.43pt)と続き、全コースで勝率が上昇しています。
これは「スタート事故が起きたレースは混戦になりやすい」という傾向の数字による裏付けといえます。ただし、恩恵を受けるのはあくまで「確率的な傾向」であり、特定のレースで必ずその通りになるわけではありません。
まとめ:出走表のF・L欄を見逃さない
- フライング(F)の発生率は全体の1.73%(約58レースに1回)
- Fが出たレースの1コース勝率は通常55.28%から31.52%へ約24ポイント下落
- 1コース自身のFは勝率ゼロ、2コースのFが他コース失格より1コースへの影響が最大
- Fが出ると2〜6コース全体の勝率が上昇し、2コースが最大+7.15ポイントの恩恵
出走表を眺めるとき、フライング保持(F持ち)選手の欄だけでなく、当日のスタート事故情報にも注目してみてください。KONKYOボートラボでは、このような一次データの集計を継続して公開していきます。
⚠️ ご利用にあたっての注意
本記事は分析情報の提供を目的としており、的中を保証するものではありません。舟券の購入は20歳以上の方に限ります。20歳未満の方の参加は法律で禁止されています。余裕資金の範囲内でお楽しみください。
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